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岩田隆 日本画展seazonY「心象世界を描く」2012年6月3日〜

鈴鹿カルチャーステーション・アートギャラリーの作品が2012年6月3日より
新しくなっています。どうぞお立ち寄り下さい。



『思い出のほたる』(2012年制作F100号変形)





展示についてのコメント
 
『思い出のほたる』

6月3日に行われた清鈴庵「ほたる茶会」の演出のために短期間で描いた作品です。
自分にとって螢というと、小学生の頃の記憶が蘇ります。
田んぼ一面に小さな発光体が群舞し、空間を埋め尽くすほど飛び回っていました。
今では螢は貴重な存在となってしまいましたが、あれだけの螢が舞う姿を見たのは、その時が初めてで、その後はあのような光景を見ることはありません。

父は、僕をバイクに乗せて、螢を見によく連れて行ってくれたものです。
何故、父は僕に見せてくれたのだろうか。
その父への思いと共に、螢の光景が記憶に蘇り、なんとか、絵にしたいという衝動に駆られ、試作を練って、一気に描き上げたのが上記の作品です。

SCS内に事務所を置く「サイエンズスクール」では、「内観」と言われる1週間ほどの合宿で自分を見つめる機会があります。以前にそれに参加したことがあります。
自分の過去に遡り、母や父に自分が「してもらったこと」(お世話になったこと)を思い出し、見つめていくのです。

どれだけ多くのことを「してもらって」きたか、が、「内観」をしてみるとよく分かります。
そんな母や父に対して、では、自分が「して返したこと」を調べてみると、本当に微々たるもので、ほとんどゼロに等しいことも分かります。母や父に「してもらったこと」をそのまま受け止める以外に自分の為すすべはありません。(自分の人生を振り返り遡ってみると、実に多くの人たちに、多くのことを「してもらって」きていることにも気づかされます。それらの行為に常識的に“感謝しなさい”ではとても片付けられるものではないことも思います)。

ただ、ただ、「してもらった」行為を見つめた時、母や父のその時の気持ちや心の中にも目が向きます。
その行為を思い出すと、自分に注がれて来たもの(愛情というものでしょうか)を感じずにはおれません。そして、今の自分からも、同じように溢れてきます。
これは、たぶん、尽きることのないエネルギーのようにも思います。
自分も、周囲の人たちに対して、自分から溢れるものを注いでいきたい、そういう思いとエネルギーで満ち溢れてきます。
これは、自分で自分を鼓舞したり、頑張らせなくても、自然と溢れてくるものだから、無理なく湧いてくる力です。やりたくって、しょうがないっていう欲求です。

そんな“力”の源を発見したような感さえあります。

『思い出のほたる』は、父への思いと同時に父から注がれたものをそのまま螢が放つ光に喩えて表現しました。(僕の作品で、花が無数に描かれているのは、ほとんど、そういうものです)

(作者より)


 

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