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原題は“Tombe’s du ciel”
“落ちる”という使い方では、
Ca tombe du ciell 、
天から降ってきた、
という 言葉がある。
これは
“宝くじに当たった”
という意味に使う。
ああ、いいタイミン グだ、
という時に使う日常会話だ
そうだ。
映画の舞台、フランスの
シャルル・ド・ゴール国際空港
国境の隙間に落ちてしまった人たち @
映画『パリ空港の人々』(1993年・フランス)
映画を通してフランスの歴史を知る 第5回 《4月16日》
講師の大嶋優さん(関西学院大学フランス語講師)
“空から落ちた人たち”
「『パリ空港の人々』というタイトルを聞いて、どんな映画だと想像しますか?
この映画の原題は、“Tombe’s du ciel”
直訳すると、“空から落ちた人たち”という意味になります」
タイトルの話題からだ。
「映画のタイトルというのは、とても大事です。
ゴダールの『勝手にしやがれ』、これは有名ですが見られた方いますか?」
「あ〜2人だけですか」(大嶋さん拍子抜け)。
「直訳すると、“息が切れて”という意味、死ぬ間際のことです」
「では、ジャン・ギャバンの『望郷』という映画は?」(会場無反応)
「原題は『ペペルモコ』。これは主人公の名前です。
こんなタイトルをつけても日本では誰も分かりません」
大嶋さんの期待を裏切る無教養な生徒たち。
それでも一心に伝え続ける果敢な講師。
トランジットは無国籍地帯
映画の舞台は、フランスのシャルル・ド・ゴール空港。
パスポートを盗まれて立ち往生する主人公の話だ。
キーワードは“トランジット”その意味について解説が始まる。
映画の中にご当人が登場してる?
まーなんとも摩訶不思議な話だ。
日本にいても、出国手続きを済ませてゲートを出ると
そこは日本であって日本ではない領域らしい。
「入国する時は、自分の身分を証明するものがないとその国に入れない。
それがパスポートです」
「実は、このトランジットゾーンで18年間生きていたイラン人がいるんです」
映画は、そのイラン人をモデルにして作られたという。
パリのシャルルド空港で18年間生活していたそうだ。
トム・ハンクス主演、スピルバーグ監督の『ターミナル』もやはり
同一人物をモデルにした作品とのこと。
「そのイラン人が映画の中に実際に登場しています」と、そのシーンをピックアップして最初に映す。(下記の写真、立っている女性の右の人)