トップ運営理念イベントNEWSお知らせレンタルカルチャーエコ街のはたけ学習塾館内アクセス

taitoru2復活「ひょうたん物語」後編スタート
                      ひょうたん合戦!?

 
                       左から、たっちゃん、山口くん、こう君

こう君NHKテレビに! 

しばらくお休みしていた『ひょうたん物語』。
生徒のこう君が、「あの続き、どうなった?」と、毎回、塾の度にそれとなくささやいてきます。
「あ〜、今、絵の制作中で…」とか、「フランスの旅行記書いてて…」とか、
のらりくらりと、はぐらかしていました。

中々、重い腰が上がらずにいたのですが、先日、たまたまテレビをつけると、
NHKニュースで鈴鹿バルーンフェスティバルの映像が流れ…
なんと、そこにこう君が出てインタビューに答えているではありませんか。
「あれ、こう君だ、この子SCSの塾に来ている生徒だよ…」
つい一緒に見ていた家族にも話しはじめ、
そうこうしていると本人が何を喋っていたのか、まったく聞けずじまい。しまった。ゴメン!

「ぼく、いつも、こういう時によくインタビューされるんだよ」と言っていたこう君でしたが、
本当に、テレビの中で、笑顔でしゃべっていたのです。

よし!今度こう君に、(聞けなかったけど)「見たよ!」と声かけよう、と思いました。
なんだか、テレビにまで顔を出し、「あの続きは?」と催促しているようで、
『ひょうたん物語』の再開に気持ちが動いたのです。
これもバルーンの浮力とこう君のささやき力かな。

そんな経緯で、1年前の出来事ですが、前回の続きからお話していきましょう。
(結末をもったいぶって書いていますが、最後までお付き合いください)

はたけへGO!

瓢箪の種抜き作業を自身でやってみて、今度は、生徒たちと、その収穫から体験してみようというのが授業の狙いでした。過程を経験し、知ることによって、制作態度や、気持ちの入れ方に何か変化があるのではないか、という期待があったのです。

季節は、すでに10月初旬。
生徒たちと、SCSから歩いて10分ほどの場所にある「街のはたけ公園」に出かけました。
「今日は、畑に行って瓢箪の収穫をするよ!」 と、言うと、
「やったー!」と、車に乗り込み、大はしゃぎ。
創造塾の創作タイムも、みんな楽しみにしていますが、外に出かけるとなると、一層ワクワク感が増すようです。



ダッシュ!

畑に着くと車から飛び降り、いきなり、走り出す。(ダッシュしろとは言ってないよ!)
「おいおい、そっちじゃないよ。こっち、こっち」

段ボールを持って、中井さんが作付してくれた瓢箪畑にやってきました。
葉や茎は既に褐色に枯れ果てています。
その中に千成瓢箪だけは、まだなんとか青く実り、
残りの収穫を待っているよう。
瓢箪を片づけたら次の野菜を植えるということで、
「今日は残り全部を採り切りるぞ!」
そんな思いも伝えて、ハサミを生徒たちに渡しました。

一つとるたびに「とったぞー!」と、決めポーズ。
あっという間に段ボールひと箱がいっぱいです。

「もう一箱を探してくるから、やっててね」
そう言って、戻ってみると――、



ひょうたん合戦!

何! 収穫した瓢箪を投げ合っている。
え! 瓢箪合戦!?

やれやれ、これは食べ物ではないにしても、大事な教材なんだよ。

と、内心思いつつも… 走る! 投げる! 彼らの姿は…、
まさに野生児!
これは人間の本性かも…

人間以外の動物で、「投げる」行為が出来るのは? サルやチンパンジーはするだろうか?
走ったり、跳んだりは、他の動物に劣る人間でも、物を投げる、しかも遠くに、速く、正確に、
という点では、人間はかなり優れているんじゃないか。
河原に行けば自然と石を投げたりするのも、雪合戦も、実は人間の特長かもしれない。
などと、思うのでした。

「瓢箪合戦やりたい!」
というので、収穫の方は強制せずに、投げてよい瓢箪だけ選んで続けてもらうことにしました。

創造的思考を育てるには、やはり融通性や柔軟性は必須。
瓢箪を大事なモチーフと見ていたら、それを投げる?という発想は生まれてこないでしょう。
彼らには、それがなかった。では、それを教えることもできます。
「これは大事なものだから投げて傷つけてはいけないよ」と、言い聞かすこともできますが、
なんてったってここは『創造塾』! 彼らによって生まれた新たな発想の芽を育てたい!
そして、その微かな独創性こそ大切にしたい、という観点が僕の中にあるのです。

子どもたちと接していると、その純な姿に自分の見方の方が間違っているかもしれない、
と諭されることばかり。

閑話休題

ということで、 タっちゃんと山口くんは、そのまま瓢箪合戦を、
こう君は、「ぼくはやりきる!」と言って、僕と収穫をつづけました。



彼は、支柱になっているアーチの中にもぐりこみ、蔓をかき分け土まみれになって最後の一つまで収穫しました。
それが終わるとやはり、瓢箪合戦に参戦です。

瓢箪は段ボール箱2つ分にもなりました。
なんとか収穫が完了して次の畑に渡すことができたので、ぼくの方はホッとした気分です。
それぞれ今日は、何を思い、何を味わい、何か学ぶこと、あったかなー
などと、思いながら、一番頼りないのは、自分のような気がしました。

それにしても、日常の暮らしの中に、こんな畑に来て、自然と触れ合うことが出来るのは
いいものです。これこそSCSならではの塾!

あたりは すっかり日が暮れていました。

次回は、子どもたちと瓢箪の加工作業。どんなハプニングが待っているかな!
つづく  
(2014/10/23 絵と文 アートスクール講師:いわたたかし)

一つ前                   →次の話 「卒業 兜作り」

ひょうたんものがたり 1 プロローグ    
ひょうたんものがたり 2 型にはめないアート  
ひょうたんものがたり 3 陽と土からの贈り物
ひょうたんものがたり 4 悲しむひょうたん
ひょうたんものがたり 5 おじさんのニオイ
生徒募集中!「てっらこや創造塾」
学校だけでは学べない、手を使って考える「クリエイティブ授業」

ber


お問い合わせは→E-mail scsoffice@scs-3.org (岩田)まで

このページのトップへ

since 14.Jun.2010  Copyright SCS All right reserved.