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映画を通して
フランスの歴史を知る

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第8回
次回の予定





第3身分出身のロベスピエール
ルソー思想を継承し権力を手にする。




第3身分から司法大臣となった ダントン。
ロベスピエールのやり方に対抗していく。




国王ルイ16世を処刑に追いやる演説を
するサン・ジュスト。25歳の若さ。



ギロチン台。映画では、まだ真新しい刃。
ルイ16世の発案で、刃の形を円形から
鋭角にし、一瞬で首が切れるようにした。
苦しまずに済むようにという計らい。
しかしその最初の処刑者になるとは…




国王ルイ16世がギロチン台に登り
処刑されるシーン 。



デムーランが処刑台に登る。


ダントンの処刑。


自らの銅像を撫でるロペスピエール。



サン・ジュストの処刑シーン。



ロベスピエールの処刑シーン。




私たちは、処刑台に登る英雄たちに何を見るか 

     映画『フランス革命』〜後編

      映画を通してフランスの歴史を知る 第3回 《1月23日》





チュニジアでの革命

講座の冒頭は、最近ニュースになった話題からだった。
「1月14日にあったチュニジアの革命、あれは革命でしょうね。フランス革命と同じ14日、元フランス領という共通点。そしてこの革命も若者が中心に起こった。チュニジアの場合、武器となったのが、インターネットだそうです」
こんなことが今世界で起こっているという衝撃を胸に、大嶋さんの講座が始まった。
前回では、映画『フランス革命』の前編を取り上げ、民衆が革命に蜂起していくシーンを大嶋さんは革命の士の如く熱く語った。そんな昨年の暮れから、北アフリカのチュニジアでは、同時期に革命が進行していたのだ。
世界の鼓動と共振する本講座は『フランス革命』後編へと入った。

恐怖政治の始まり

1789年、主権を国王から国民に取り戻し、身分制を廃し、自由と平等を謳う人権宣言が採択される。 第三身分であった革命の志士たちも権力を手にしていく。
ここに次の悲劇の幕が開く。
映画は、革命の立役者ロベスピエールとダントンのやりとりから始まった。二人は、その考えにおいてやがて決裂していく。

大嶋さんによれば、ロベスピエールはルソー思想の体現者だという。ルソーの思想では、為政者とは徳を持つ者でなければならないと説く。徳とは、自己を御し、自制する力のこと。権力を手にしても欲望に走らずに自らを律する力がなければならない。ロベスピエールは、その教えを忠実に守った一人だった。そのために、同じ革命を志した仲間でさえ、意見の違いが許せなくなる。

処刑は、まず、国王ルイ16世のギロチン刑に始まる。王の処刑を決定付けたのが、25歳の若者、サン・ジュストによる演説だった。王の存在そのものが罪であると主張した。

広場に設置された断頭台に民衆が集まり、次々と処刑が執行されていく。
次に恐怖政治に反対する寛容派のダントン、デムーランが処刑される。「君には徳がない」とロベスピエールに言われたダントン。デムーランは、ロベスピエールの幼馴染である。

ロベスピエールの処刑

そして、映画の結末は、国王を処刑に追いやったサン・ジェストの処刑と革命の立役者でもあるロベスピエールの処刑で幕は閉じる。広場に花束が舞うが、果たしてその意味するものとは。もちろん、これは映画監督の演出であるのだろうが。
エンドロールでは『自由への賛歌』という曲目が流れ、しばし聞き入った。

フランス革命は、この後ナポレオンの登場まで続くのだという。
映画とは言え、かなり史実に基づいて作られているということだ。
自由・平等を勝ち取ったかにみえる民衆たちも、この後ギロチン刑の恐怖に怯えながら生きたのだと想像する。実際に恐怖政治と言われた時代で、何百何千という人たちの命が消えたという。


講座の後は、参加者との座談会となった。登場人物をどう見るか。それぞれに感じた思いが飛び交った。



歴史の点としてはとらえられない


講座のはじめに、大嶋さんから、
「私たちは革命というと、歴史の一つの点で捉えがちだが、そういうものではないことを知ってほしい。フランス革命も10年間の期間があり、その中で人々の意識には変化があり、段階を追って情勢が動いていく」という話があった。

講座を終えてそのことを実感する。
例えばロベスピエールという一人の人生を見るだけでも、歴史上の点に納めたくはない。彼は彼の信念で生きたとしても、あまりにもその最期は無念だ。それは、ルイ16世もしかり。デムーランも、ダントンもみなそうだろう。
何かのひとつの枠で、それらを括り収めてしまうわけにはいかない。おそらく、歴史とはそういうものかもしれないが、そう発言するとまた、誤解もあろう。

前回からの講座で、私自身、未だ消化し切れないものがある。しかし、大きなものを学んでいる手ごたえを感じている。(いわた)




次回 予告!

2月26日(土)午後7:00〜

フランス革命から第二次世界大戦へ一足飛び。

今回は、『死刑台のエレベーター』で知られるルイ・マル監督の自伝的映画、『さよなら子供たち』を取り上げます。

無性に込み上げてくるこの悲しみは何でしょう?銃撃戦があるわけでもなく、殺戮場面があるわけでもない。淡々と流れる疎開先のカトリック系寄宿学校での日常生活。突然ゲシュタポがやってくる。芽生え始めたジュリアンとボネの友情は無残にも引き裂かれる。戦争という不条理によって……

ラストは次のような言葉(声)で締め括られています。

「ボネ、ネギュス、デュプレはアウシュヴィッツで死んだ。ジャン神父はアウトハウゼンで死亡。……40年余りの歳月が過ぎたが、わたしは死ぬまで

この1月の朝を忘れない」 この1月の朝とは1944年1月の朝のことです。タイトルにもなっている「さよなら子供たち」は、ユダヤ人をかくまったかどでドイツ軍に連行されるジャン神父が、彼を見送る子供たちに向かって告げる別れの言葉。



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