トップご挨拶イベントNEWSお知らせレンタルカルチャーエコ街のはたけてっらこや館内アクセス

                         |次の記事へ | NEWS一覧へ

 

コミュニティづくりから持続可能な社会へ! 
 ドイツの最新事例とアズワン鈴鹿の実践報告
517日》 @ 


鈴鹿カルチャーステーションでフォーラム開催

フクシマをキッカケに進むドイツの循環型社会

「福島の原発事故をキッカケに、ドイツでは確実に自然エネルギーへの移行が進んでいる」
これは、ドイツから来日したハーン氏の発言だ。それを聞いた記者は大変ショックだった。私たち日本では、原発事故以来、何か、新たな一歩を踏み出しているだろうか?
ハーン氏の発言とは、先日開催された「やさしい社会フォーラム2014『コミュニティから展がる持続可能な社会』」でのこと。その内容を以下にレポートする。(記者:いわた)

恒例のイベントに

5月17日、行楽日和とも言えるよく晴れた土曜の午後。鈴鹿カルチャーステーションの会場には用意した椅子がほぼ一杯となる参加者が集まった。

「毎年この時期の恒例となってきました。ハーン先生が来日して、ドイツでの最新事例を紹介してもらっています。加えて、今回は、最近注目されているアズワンコミュニティの動向を小野さんに。最後にKIESS代表の内藤先生から、2つの事例の社会的意義についてお話いただきます」
司会進行を務める岩川氏(KIESS)の衒わない簡潔な前置きでフォーラムがスタートした。

 
環境先進国ドイツに学ぶ! 


エクハルト・ハーン氏

はじめに、エクハルト・ハーン氏から、『環境先進国ドイツに学ぶ話し合いからのまち・むらづくり』の発表。
ハーン氏は、ドイツでエコシティ・エコビレッジづくりのアドバイザーであり研究者だ。
今回も、その最新事例を持ち込んだ。

「現在ドイツでは、電力の27%が地域にある自然エネルギーによる発電です。今後、2020年、30年には、巨大な発電システムが必要なくなるだろうと言われています。私もそう期待もしています」

昨年の報告では、20%を超えた段階だったから、更に増加している。 一極集中の巨大発電から地域分散型の自然エネルギーへ、都市型社会から小さなコミュニティ社会へ。
ハーン氏はそれをタンカー型から人間を中心としたヨット型へのシフトチェンジだと説明する。その試みがドイツでは活発だ。 「市民が街づくりの担い手」という伝統的な気風がある。

自然エネルギーで3.7倍発電



「90年代終わりに実現した例です。エコヴィレッジWildpoldsriedでは、発電量が消費量より多く、3.7倍の電力を、ソーラー、風力、バイオによって発電され売電もしています。この転換は、80%が村民からの投資で行われました。それにより新しく仕事が生まれ、経済的にも雇用が生まれました。

このエネルギー転換は、それだけに留まらず、農業スタイルにも変化をもたらしたのです。工業的農業から有機的な農業へ。水の供給方法も変わりました。
そして、教育の内容までもが変わったのです。『持続可能な、自然と共に』という考え方になりました。システムの変化は人々の考え方を大きく変えたのです。

また、交通スタイルも、電気自動車の利用が増え、電気を貯めておく役割も担っています。 各地からの参観者が増え、ここでのやり方を学び、ヨーロッパに広がっています」

大都市の中に循環型社会



もう一つの例として、大都市中心部で循環型社会を試みる、「The Holzmarkt Project」を取り上げた。
場所はベルリンの一区画にあり、ベルリンの壁の崩壊後の跡地を利用した試みだ。大都市といってもその成り立ちは、区画毎の単位がある。そのエリア内で循環型社会の可能性を追求している。

「そのプロジェクトは、500人の学生と研究者が住む集合住宅スペースとオープン型の芸術村・保育園・レストラン・農地などのスペースがあります。所有や占有はできず最高7年間の滞在期間です。
スペース内で自給自足的に食料を生産しています。雨水を利用した魚の養殖場があり、そこから出る排泄物を肥料にして作物を作り、レストランで自給する仕組みです。
農地は、建物の屋上にもあり、様々な工夫が見られます」

「循環型社会は自然の中でこそ」と思われがちだが、大都市の中でも、緑を作り出し、実験的な試みがされているようだ。

「このような取り組みは、未来に対して意欲的で、周囲の人達と協力ができ、情報を共有出来る人達で初めて成り立っていけるものです。これは2年前には想像もつかなかった動きで、様々な計画が進行しています」

「ただ、議論も出来て、独立心の強い国民でもあり、形の面では進んでいますが、心の面で、本当に仲良く暮らしていけるかどうかは、まだこれからです。そこをアズワンの試みからもっと学んでいきたいと思います」
と結んだ 。


次はジョン・レノンの『イマジン』の世界は実現可能?

@環境先進国ドイツに学ぶ   Aアズワンの「やさしい社会」とは  B実現へ日本の課題

このページのトップへ

since 14.Jun.2010  Copyright SCS All right reserved.