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伝統と進歩、バランスを保つカギは?
ラダック meet スズカ 開催 《11月20日》
ラダックのスカルマさんによる写真トークショー
ラダックが問いかけるもの
3.11以降、人々の絆やつながりの大切さが見直されている。人の暮らしは快適で便利な方向へと向かってきたが、それによって人々は幸福になってきたかのだろうか。こうしたテーマを現代文明に投げかけている一つが「ラダック」といえるだろう。今年話題となった映画『幸せの経済学』で取り上げられた地域だ。
ラダックとは、インドの最北部、ヒマラヤ山脈西部の標高3000mを越えた山岳地帯に位置し、過酷な環境条件下で、千年以上もの間、豊かで独特な文化を育み、循環型の自給自足生活を成り立たせてきた。しかし、近代化やグローバル化の影響で伝統や環境の破壊も進んでいる。ラダックの暮らしを守ることは、現代技術と伝統文化というバランスをいかに保つかという鍵でもある。
こうした問題に取組むのが、日本のNPO法人ジュレー・ラダックで、ラダックに対して様々な支援活動を行っている。
その代表、スカルマさんの一行が、この度、鈴鹿での新しいコミュニティ活動に興味を持ち二日間訪問し交流機会を持った。11月20日には、SCSで、スカルマさんによるラダックの写真トークショーが開かれ、ラダックの暮らしや文化の紹介、ジュレーラダックの支援活動の様子、そして今回触れたアズワンコミュニティ鈴鹿の印象などが語られた。
NPO法人ジュレー・ラダック代表のスカルマ・ギュルメット氏
ラダックでの学びを日本で探す
スカルマさんが訪れるきっかけになったのは、ジュレーラダックの活動をする寺坂佐奈子さん=写真上。彼女は、1年半ほど、ラダックに滞在した経験があり、多くの学びを得たという。
「循環型でシンプルな生活を目の当たりにした。村人との何気ない会話の中に哲学的な問いや気づきがあった。ラダックでの学びを日本でもやってみたいと思い、日本のいろんなコミュニティを訪ね、ここに出会った」と今年6月に訪れた。
アズワンコミュニティの印象を、
「地域通貨もある。全員が一緒に住んでいるのではなく、それぞれの家庭があって、村のように繋がっている。そのあり方がいいなと思った。ラダックに似ている」
と感じたという。そして、今回はスカルマさんと共に、ジュレーラダックの一行9人が訪れることになった。
ラダックの暮らしや文化を語る
お金よりも、お互い、どう助け合えるかが重要
トークショーの中でスカルマさんは、農業の大切さ、重要さを語った。
「農業は一人では成り立たない。親戚や地域が互いに助け合って共同で作業をします。歌を歌って楽しんで。互いのコミュニケーションの場になっている。
とれた野菜も、下さいといってもらっていく。お金は求めない。
冬の間は、半年くらい村の外に出られないし外からも入れない閉ざされた状況になる。夏に収穫したもので食いつないでいく。そういう時に生きていくことが一番重要になる。しかも幸せに生きたい。それにはお互いの協力がないと生きていけない。いくらお金を持っていても大した話にはならない。
私の家にはネパール人がいる。労働者としてやってきて住み着いてしまった。もう何年もいる。彼に対して、出て行けとかもない。一緒に生活をしている。お金をとっているわけでもない。彼は、家に対しては何もしないが、親戚や村の中では自分の出来ることをしている。
また、家の一部屋が店になっていて、誰もが気軽にお茶を飲んでいったり、キッチンを勝手に使ったりしている。家のものも知らないうちに持っていったりするが、誰もとがめる人がいない。ある意味盗みだが、返してくれとも言わない。モノに対する執着がないんです」
ラダックではあたり前の暮らしが、アズワンコミュニティに触発され、
「非常に雰囲気が似ている」と話した。
試験運用されている地域通貨「リンカ」(貨幣の単位名)にも大変興味を持ち、無理なく、ゆるやかに暮らしていることに共感を持ったようだ。
スカルマさんは、農作業に機械が入ることで、作業はラクになり短時間で終わるが、その分、互いのコミュニケーションが失われ、つながりや絆が薄くなることを危惧する。文明の発展と人々の絆というジレンマの中で、街の中にあるアズワンコミュニティの暮らしは未来へのヒントがあると語っていた。
テーブルごとにラダック体験者を囲んで
ラダックジュースを飲みながらワールドカフェ。
以下、コミュニティーの参観も含め、トークショーに参加した方々の感想を紹介する。
豊かな心をもって
心底信頼し合って暮らす
ラダックの本、仏具、郷土品などのお店も開いた。
(写真と文:いわた)
アズワンコミュニティとの交流の様子はこちら→→→→アズワンコミュニティHP
ラダックのみなさんの二日間の様子は個人ブログからどうぞ→→ 宮地さんのブログ
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