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次回の予定






















































ジャッケトデザインの違い。
上が日本版。クレオパトラを全面に
したデザイン。
一方下のフランス版は登場人物を
満遍なく配している。




フランスのコメディを心底笑えましたか?」  

映画『ミッション・クレオパトラ』(アラン・ジャバ監督・2002年・フランス)

映画を通してフランスの歴史を知る 第9回 《11月19日》 @ A



                講師の大嶋優さん(関西学院大学フランス語講師)

講座一周年

11月19日、3ヶ月ぶりのカルチャーカフェ『映画を通してフランスの歴史を知る』が開かれた。
大嶋さんが開口一番、「お礼申し上げます。去年の11月20日が第1回目でした。正確をモットーにしている私としては1日のズレは気にかかるところですが、本当に1年間ありがとうございました。これからも続けたいと思います」と挨拶。
1日のズレを気にするところは大嶋さんらしい。そして、まだまだ伝えたいことがあるぞ!という情熱がほとばしっている。

コーディネーターの中井さんの友人ということで、まずは一回やってみようと始まった講座が1年間続いた。記者としては、第1回目の面白さにはまり、以降レポートを書き続けている。

フランスの歴史文化への興味か、映画の面白さか、または取り上げるテーマや視点への関心からか、それとも大嶋さんという人の魅力なのか、
参加者もそれぞれに何かに惹きつけられてのことだと思う。

記者の一番の関心は、取り上げる映画を大嶋さんがどう解説するか、という点にある。
単純には作られていないフランス映画の奥深さを知れば知るほど、その背景に思いを馳せる。

今回の映画は『ミッション・クレオパトラ』、コメディだ。さて、大嶋さんはこの映画をどのように語ったか。その前に、まずは参加者の吉田さんの感想から紹介したい。


モニカ・ベルッチ主演によるフレンチコメディ『ミッション・クレオパトラ』。
3ヶ月で豪華絢爛な宮殿を建てろと命令を下すクレオパトラ=写真。さて、どうなるか。


「笑いを笑えたかな?」

大嶋さんの秘めたエキスを感じたい

7時からの予定だったので15分前頃をみはからって、SCSへ行った。「やあ」と、例によって満面に笑みを浮かべ、大島さんが迎えてくれる。「久しぶりです…」と言ったかどうか、僕の方から右手を差し伸べて大島さんと握手した。

僕は、一番前の席に座った。中井さんと、大島さんは話を続けていた。ひとり、またひとりと、やってくる人ごとに「ようこそ」といい、そして、「ありがとうございます」と言って、笑顔で迎える大島さんに、僕は気持ち良さみたいな感情の湧いてくるのをおぼえた。

本当にどれほどたくさんのことを、大島さんがこころのなかに秘められているのか?と思うと、少しでもよい、ひとつでもよい、そのうちのエキスみたいなものを、感じ取ることが出来たならと、今回強く感じた。

笑いも国民性で違う?

「フランスの笑い」ってあるのかどうか?僕なりに捉えたものだけれど、その国ならではの“国民性”みたいなものといったら良いのだろうか?其処に(底)に流れる感情みたいなもの…そんなのがあるような気がした。

2002年に上映されたこの映画、日本でのポスターとフランスでのポスターの違いを目にした時、かたや、“クレオパトラ”を正面大写しにしたもの。もう一方は、たくさんの登場人物の中に囲まれる?ようにして映された“クレオパトラ”ここにも、国民性の違いみたいなものの一端を見る思いがした。

この映画をそのまま見たとしてどれほど理解できるかわからない。ましてや、「笑いを笑えるか?」となったら、僕にはさっぱりの感じもする。
考えて出てくるもんじゃないと思うし、きっとポカーンといった感じかも?それでも、この映画を作った製作者には製作者の意図するところがあるのだろう…。
毎回のことだけれども、大島さんの解説があって、そこに関心が向く自分がいて、ところどころでそこに照らしながら映画を観てゆくそんな感じなのかな?

「笑いを笑えずに」“苦労した”

この映画、面白かったところもあるけれど、おもしろさがわからずに、それこそ「笑いを笑えずに」“苦労した”っていうところかな? 僕の場合だけれど…。
ただ、苦労ってかいたけれど、つらいとか苦しいとかいうのではなくて、「もっと理解をしたい、中身に迫ってゆきたい」そういった願望みたいなところから出てくる感情みたいなものだろうか?

講座のなかで、あふれ出てくる大島さんの想いとか感情と、そのもとにある心を知ってゆくのはとても難しい。そう感じる。

終わってから、中井さんのところで、大島さんと話ができるのが、僕にとってはとても楽しみな時間でもある。
「なぜフランスなのか?」「なぜフランス映画なのか?」
大島さんの心にすこしでも関心を持つことが出来ていったなら、新しい展開も生まれてくるのかも知れない。
一年間本当にありがとう。これからもフランス映画を通じて、もっとフランスを知り、大島さんを知ってゆきたいそう思っています。

(吉田順一)


記事は続きます。→→→Aへ 「フランス流コミック、底流にある歴史文化」(いわた)


次回の予定

12月17日
(土)夜19:00〜21:30。映画『ギャルソン』(1983年)

今回は、「これぞイヴ・モンタン」をご覧頂きます。クロード・ソテ監督、イヴ・モンタン主演の『ギャルソン』(1983年)です。

俳優を活かすも殺すも監督の度量次第。クロード・ソテはイヴ・モンタンの魅力を十分に心得ている。

ブラッスリーでギャルソンのチーフとして働くアレックス(イヴ・モンタン)。中年から初老への侘びしさを垣間見させながらも、楽天的性格、やさしさ、憎めないしたたかさで人生を楽しむ。「地でいけばいい」と監督は言っているような……映画です。

ギャルソンたちのきびきびした動きも見どころのひとつ。この活気、善かれ悪しかれパリのブラッスリーのものです、いや、ものだった。何しろアレックスは一服ふかして客のもとへさっと足を運ぶんですから。「去年の雪今はいずこ」でしょうか。

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