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新緑の「炭窯祭り」開催 炭って深ーい!
未来の里山プロジェクト  《2015年5月3日》 




大型連休真っ只中、薫風わたる里山の森で、今年2回目の「炭窯祭り」が開かれました。
呼びかけ人は「未来の里山プロジェクト」。
「ネーミングがいいですね!」
と、ちょうど、福岡から来ていたラジオDJさんからもお褒めの言葉がありました。
チームは、65から70歳のオヤジたち5〜6人で、「すずかの里山」(徳居町)が舞台です。その一人、鈴木英二さんは、炭焼きの技を受け継ごうと奮闘中で、
「自然の奥深さに触れられる」 という話も魅力的でした。最後に紹介します。
「今回は、なかなかよい炭が出来た」と英二さん。
この日は、その炭出しのお手伝いをしようと人が集まり、皆さん気持ちのよい汗を流しました。
おまけのビックリは、「鹿肉のバーベキューを食べよう!」というちょっと変わったお楽しみ付きです。果たしてお味の程はいかがでしたか?



英二さんお手製の企画の案内板。「焼肉、掻き揚げ丼、燻製鹿」の3点盛りの昼食



炭窯の入口には、送風機が設置されていました。中の炭のホコリを吸い取る仕組みです。



中に入っていくと …
(この写真と下の写真は、今井亜子さんのFBから)



窯の中は、こんな様子。手前の炭は、既に外に出されていますが、あと半分、
まだぎっしりと詰まっています。



窯出しされた炭をここから整形していく作業です。



炭の整形の仕方を伝える英二さん。



窯出しされた炭を囲んで作業に入ります。



バーベキューなどの燃料に使うものとして、適当の大きさに切る作業です。
この時、木材がきれいに炭化されているか見極めます。



横浜から来たという女性も熱心に取り組みました。



「炭を切る感触で炭の出来具合が分かってきた」と言ってました。



整形した炭を運ぶ市川さん。



いい炭を袋に詰めていく作業。
「よく詰まった炭は、重みがある」、「この切り口、艶々してる」…
そんな会話をしながら、炭の出来具合を確かめ袋詰めをしていました。 今日初めて体験した二人の女性ですが、英二さんの話がよかったのか、炭の奥深さに触れている様でした。






●食事づくりのみなさんは…



みんなが炭の作業をしている間に、スタッフの余川さんは、鹿肉の燻製づくり。
中の温度を65℃に保ちながら、燻しています。なんと2時間も番をしてるとか。
出来上がりが楽しみですね。



屋台では、ここで収穫したウドやシイタケ、タケノコ、新玉ねぎを天ぷらにしています。
郡山さんの腕の見せ所〜!



これが、一志(三重県一志郡)で捕まえたという鹿肉。バーベキュー中。



だんだん人も集まってきて、試食!
鹿肉を、「柔らかい」とか「美味しい!」とか言って皆さん頂いていました。
記者も口にしてみましたが、脂身のない真っ赤な肉で、若干の獣臭がします。
肉は柔らかくてレバーのような触感もあり、味は、何かに喩えるのが難しか〜、
これはシカたないカ(鹿)〜 語る資格なしかー!
鹿の燻製は、時間をかけただけあって、たシカに美味シカ〜!!m(_ _)m



天つゆは郡山洋子さん作。もう1時間火にかけたかったと言うくらいにこだわりのツユです。 炊き立てのご飯に天ぷらを載せて、掻き揚げ丼の出来上がり!



みんな、ワイワイと賑やか。
天候にも恵まれて、新緑まぶしい里山での食事は、
何を食べても美味しくしてしまいそう。天然の味付けかもね!


●炭焼きの奥深さって?英二さんの話



次は英二さんの話です。
炭焼き、炭窯の師匠である南伊勢町に住む80歳代の右田さんにその技を受け継ごうと奮闘しています。炭焼きの奥深さをお聞きしました。

「夜中、火をもやしていると小屋から窯の中の炎が見える。
 窯の蓋を閉めて、温度が360度前後になると、煙が真青になる。
 オーロラじゃないけど、ブルーの煙がここを漂う。
 これは神秘的です。」

この窯の蓋を閉めるタイミングがとても重要なのだそうだ。
以前は温度計の数字を見て、締めていたが、それではいい炭にならないという。
そういう失敗を何度も重ねて気づいたことは、「窯に聴く」ことだという。
煙突の縁にマッチ棒をかざして、それが何秒で発火するか、
それでタイミングを計るそうだ。
煙の色も、燃え出しは水蒸気を含んだ白、次に木のえぐみの黄色、
そして、ブルーに、最後は無色になるそうだ。
その煙の勢いや、色、窯の状態を見ながら、「いまだ」という時をみる。

「温度計の数字が340度になったら締めればいい、で何度かやったんですよ。
 それでは全然ダメなんです。
 気持ちが自分ペースになっちゃう。
 自分の方に余裕というかゆとりがないと窯に聴けない。
 実際に煙の状態に自分を合わせていけるか、
 その自然の奥行に直接触れる場っていうかね。
 これはやっている本人でないと味わえない面白さです」

里山の案内板の中に「自然の奥深さに触れ…」という一文が出てきますが、
その意味がどんなことなのか、記者にもあまりピンときませんでした。
英二さんの話を聞いて、なるほど納得。
自然界は、常に変化し移り変わっています。そんな自然とどう付き合っていくか、
その妙味をこの場で体感してるんだと受け取りました。
自然とも、人とも、一緒かもしれません。
それには、自分がどうあったらよいか、そんな話にも聞こえてきます。

自然の奥深さに触れている英二さんの話は奥が深そう。




祭りの前日に設置したという立札です。
窯の正面横にあります。
窯の由来について、 南伊勢町の炭窯作りのベテラン、右田さんから直接指導を受けて作った話などが書かれています。



炭窯正面の小屋です。ここで窯の炎を見守ってるんですね。
その屋根の上に小さな小屋根が付いていました。
これも最近増設したそうです。所々、来るたびに変わってきてます。



里山の裏の田んぼ。もう田植えが終わっていました。



山藤があちこちに花を咲かせています。

今度の里山企画は5月24日(日)午前〜
「ドングリから芽が出た!竹ポットに植え替えよう!」です。
里山の息吹を吸ってみませんか?

(写真
と記事:いわた)


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