中高生コース こころを形に!春を描こう!
2016年4月24日 アートスクール
――― この記事は、生徒さんとその親御さんに向けて主に書いています。<(_ _)>―――
中学生クラスでは、こころを形に表現してみよう!と2か月ほどやってきました。
気持ちや感情やこころといったものは形がありません。
自分の内側に、湧いてきたり、波だったり、静かだったり、ワクワクしたり、
また、自分の外側のものの刺激を受けて変化したりして
ちょっとつかみどころがないものです。
そんな気持ちも自然の移り変わりにも影響されますね。
春になると、どこか、こころも軽やかになったりしませんか。
春に咲く草花や陽気のせいかもしれません。
そんなこころの変化を感じ取り、季節の草花を通して表現してみよう!
というのが今回の課題です。
絵を描こう!は、こころを描こう!っていうことをしてみたわけです。
さあ、どんな絵が出来たかな?
●さくらちゃんの作品 『春と夏』
さくらちゃん(中1)のレポートによると――
背景のピンクは、春(桜)をイメージして、緑は夏(葉)をイメージしました。
タンポポが茶色や白で塗ってあるのは、タンポポは夏になると枯れるので、
茶=枯れる 白=綿毛 のイメージ。
春は終わるけど、夏が始まる
→ 春=楽しいこと 夏=新しいこと
↓
春にあった楽しいことは終わるけど、
夏にまた新しい事が出来る ということです。
(春=ピンクが少ないのは 夏がもうすぐ始まるから)
だそうです。
画面いっぱいに大きなタンポポを描いて、その花びらがクッキリ浮き出ていて、
とても力強い印象です。何か、春の息吹というか生命のほとばしりのような
たくましさを感じました。バックの色の載せかたや斜めの大胆な構図の切り方も、
ピンクと緑の色彩も大胆で、躍動感があります。この写真ではよくわかりませんが
黄色の花びらも筆のタッチで何度も塗りこんで描いています。
テーマは春でしたが、すでに季節は初夏です。その今をとらえる素直な感性にも
感心しました。
一つ一つの形や色に、自分なりの意味や概念を持って描いている点は、
コンセプチュアル・アートに通じるものがありますね。
今、自分の中に芽生えてきているものを大事にして、伸ばしていってほしいなあ
と思います。
●ゆうきちゃんの作品 『春のなの花』
ゆうきちゃん(中2)のレポートから――
菜の花を描きました。春の花の中で菜の花が一番好きで、
かわいいので菜の花を描きました。
背景の色は、最初に水色で塗って、ピンクを塗りました。
水色は空の色で、ピンク色は春をイメージしました。
全体的にうすい色にして、あとから重ねて塗っていきました。
背景を水色とピンクにしてたとき、ぐちゃぐちゃになるかな、
と思ったけど、意外ときれいにまとまってよかったです。
だ、そうです。
写真では画面がちょっと暗く映っていますが、
とても淡いやさしい色使いで、「春はあけぼの…」っていうイメージ、
春の空気感がよく伝わってきます。
画面全体から伝わってくるこの雰囲気がとっても大事です。
気韻とも言われますが、そんな趣きを感じます。
水色とピンクの背景もぼかしがうまくいって成功しています。
菜の花は実物を見ての写生ですが、しっかりモチーフをとらえて
いると思います。
●つぐみちゃんの作品 2品
つぐみちゃん(高1)の場合は、特にテーマをこちらが用意して
いません。今回は絵本からインスピレーションを得て描いた
作品です。アクリル絵具で描いています。
波模様も丹念に描きました。海牛?の目が何かを訴えている
ようで、それが何だろうなーと考えてしまいました。
夜の月と家。
どちらも青色を基調にした絵です。
青色の絵を描きたいという心理が働いている時ってどんな時かな。
僕も青が好きで、青色を使う時は、特に意識します。
青を基調にしたい時は、自分がそこに吸い込まれてしまいたい感覚にもなり
ます。そこに同化していきたいような、深く広いこころを求めているような…
つぐみちゃんにとっての青色は、何でしょうか?
月の家の絵のように、画面をほぼ一色で塗り込んでいるのは、とても気持ち
いいものです。
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自分の中にあるものを何かとらえて、形で表現してみる。絵にしてみる。
そんな一歩を踏み出している気がします。
(講師:いわたたかし)
アートスクールは
毎月 第2・第4 水曜日 午後3:30〜5:30 。
金曜日コースは、毎週金曜日 午後4:30〜6:00 。
中学生コースは、第2・第4日曜日の午前10:00〜12:00(基本的には)
時々予定が変わるので、中学生コースの今年の予定から確認してください。
体験教室 随時受付中です。お気軽にどうぞ。
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