街のはたけで芋煮祭 開催
〜人・街・自然 稔りを祝う収穫祭〜
農と暮らしを語ろう
《11月5日》
鈴鹿市算所町にある「街のはたけ公園」で、初めての芋煮祭が開かれた。
11月5日(土)、心配されていた雨は降らずに、初の開催となる「街のはたけ公園 秋の稔り芋煮祭」が、鈴鹿カルチャーステーション主催、「地域再生コーディネーター三重の会」と「三重県生きがいづくりアドバイザー協議会」の後援で行われた。
昨年、街の一角に誕生した「街のはたけ公園」。今年一年の収穫を祝おうと、この場に関わってきた「ベジコミクラブ」、「段ボールコンポスト」などのメンバーや上記の主催・後援者が企画した。
参加者は、はたけ公園内の参観や関わった人たちの話などを聞いた。
その中で主催者の一人、中井正信さんより「5つの構想」が語られた。
畑を通して人と人のつながりを作っていこうというコミュニティとしての畑。
「段ボールコンポスト」で出される堆肥を畑に循環させていく場として。
子どもたちの踊り場として。
果樹公園としての構想。
そして様々な人が関わることでその人の持ち味が発揮されていく場
としての構想だ。
みんなで畑をぐるり一周してから体験企画として、大豆の脱穀やサツマイモ収穫などを楽しんだ。
そしてお待ちかねの、熱々の芋煮、おにぎり、ホクホクの焼き芋や焼き栗などを頬張り、秋の稔りを満喫した。
今回の企画について実行委員の中島さんは
「思った以上にいい会になった。畑というのは時間もかかるし、直ぐに目に見える形にはならない。関わる人たちが勝手に描いて、勝手にやっていくという感じで、一年かけてやってきて、ここでやれたことを確認出来た会になったと思う。たんに畑をやっているんじゃない。ここの場でいろんなことが生まれている。一年かけてどれだけ進んできたか、確認し、知ってもらい、進んでいきたい」と、今回の場が一つの節目としてまた来年に繋がっていく場になったようで、充実した様子を語ってくれた。
集まった人たちで「街のはたけ公園」の参観をする。
「ベジコミクラブ」の活動を紹介する中野豪さん。関わっているメンバーや育てている野菜などの話をする。
「鈴鹿ベジコミクラブ」と書かれたビニールハウスに入っていく。
「段ボールコンポスト」から出た堆肥置き場が用意されている。
ここで堆肥を寝かせて畑に撒くという。次に使うモミガラの用意もされていて、ここが段ボールコンポストを実施する人たちの道具置き場になっているという。
案内をするのが宮地昌幸さん。
はたけの一角にある蓮池。
蓮池では、佐藤秀一さんが構想を発表する。
「50cmの落差があれば4M汲み上げることが出来るポンプをここに設置してみたい。今日はその試験に来ました」と兵庫県から参加。
水位差から生じる水圧を利用して水を汲み上げるという手作りポンプ。
中井正信さんが今植えている果樹や野菜の案内をする。
みかん畑には、日本で一番うまいと言われている品種を植えた。無農薬栽培でやりたいという。
中井さんの話を聞く参加者。
みかん畑の様子。まだ苗木の段階。
子どもの畑として来年に向けて話しをする中島実延さん。
「大豆百粒運動」にも加わって、ここでも大豆を子どもたちと育てたいという。一人が百粒植えて育て、出来た豆で味噌をつくったり、それで味噌汁や味噌田楽つくったりして、子どもたちが豊かになっていけたらと、「てっらこや」の子どもたちで関わっていきたいという。
大豆収穫体験が当初企画されていたが、思ったより早く収穫されたので、足踏みによる脱穀体験になった。参加者みんなで大豆の上を踏みつけて豆を殻からとっていく。
子どもたちは大はしゃぎで、飛び跳ねる。
農業委員をされている鈴木久三さんが挨拶。後ほどインタビューに答えて頂いた。
「計画されている市民農園などで、作る喜び、食べる喜び、そして隣近所に分けてやる喜び、この3つの喜びを味わってもらえたらいいなあと思う。それが広がっていけば、ありがたいことだ。自分も百姓しているので、農業の大変さも分かっている。長く続いてもらえたらと思う。ここは500haくらいあるが、これだけ広い場は、普通ではよう出来ないから期待している」
今、耕作放棄地が増えて畑が荒れていくことを憂いで、営農組合の事務局をしながら農地を守る仕事をされているとのこと。
サツマイモ収穫体験
子どもたちが参加しました。
大きな芋に歓声
焼き芋を焼く「地域再生コーディネーター」の余川さん
大好評の芋煮
芋煮の材料は、この畑で採れた里芋、ごぼう。豚肉は「お肉とやおやさん」のお店で調達。
調理は中井佳子さんが前日から。食べる人みんなが「おいしい〜」と声を上げる。
お代わりする人もたくさんいて鍋いっぱいあった汁も空っぽになり、 大好評だった。
参加者の感想より
サトイモと豚肉と入ったおつゆも、炊きたてを握ったおむすびもおいしかった。
ホカホカの焼き芋や焼き栗、焼きみかんまであって「アチチ〜」といいながら分け合って、食べるのは格別だった。
足踏みして脱穀した大豆を小さな友達がくれた。わたしの分とあわせて38粒あった。来年、庭に蒔く事にする。(阿古曽町 女性)
ご飯も、実行委員の各家で炊いて持ち寄り、お握りにして出された。
(撮影:中村聡史・中島) (文:いわた)
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