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コミュニティづくりから持続可能な社会へ! 
 ドイツの最新事例とアズワン鈴鹿の実践
 517日》 B


内藤正明氏(鈴鹿カルチャーステーション)


実現へ日本の課題とは-- 「ドイツと日本、どこが違う?」

さて、フォーラムは、ドイツでの事例とアズワンの報告が終わり、内藤正明氏(KIESS代表・京都大学名誉教授)による総括へと移った。

ドイツの事例に内藤氏もやや興奮気味だ。
「何故、日本では起こらないのか? ドイツ人と日本人の何が違うのか?
皆さんはどう思われましたか?」と会場に投げかける。
会場からも発言が飛ぶ。

「若者が声を挙げた時に、それを聞き入れる年配者がいない。若者と年配者が離れてしまい、意見が届かないため、大きなうねりになり難い」(若者から)

「戦後の日本の作り方が間違ってきたと思う。効率優先で、中央集権的に都市に工員を動員してきた。そこをもう一度見つめ直し、生産の基盤を自分たちに取り戻さないといけない」
(会場から)

「社会を変えるには、若者、よそ者が頑張ることだ言われているが、3つ目の条件として、そこに60代70代がいないことだ。これはかなり現実です」(内藤氏)

「日本がこの国をどう作ってきたか考え直さないとドイツのようにはいかない。産業国家一辺倒に進んできた日本は、国民がこの国の主人公になったためしがない。それ以前は軍事国家だった。
現在もアベノミクスを国民が全力で支えているように見える。これは救いようがない。お金を刷って株が上がった豊かになったと思っていたら、それは大きな間違いだ。崩壊するだろう。
崩壊した時に、次の新しい動き、新しい社会をちゃんと作っておかないと。こういう場で知恵を集めて相談しておかないとと思う。
ここの役割は、小さいけど大きなヒントとなる。もっと大きなヒントはドイツで作ってくれている。受け止められる市民が育っていかないといけない」(内藤氏)

続いて内藤氏による「なぜコミュニティづくり、なのか?」の論題へ進む。
先端技術を推し進めてより便利で快適な社会を目指すのか、それとも、自然と共生したライフスタイルに転換していくのか、その二つのどちらに軸足を置くかだ。前者が都市型・集中生産型の社会に対し、後者は、分散・自立型のコミュニティ社会。持続可能な社会を実現するには、私たちの考え方を根底から変えなければならない。そのパラダイムシフトを思想的背景と社会システムの両側面から解説した。

市民の手によって進める変革         

ハーン氏が、環境先進国と言われるようになったドイツの経緯を話す。
「1980年チェルノブイリの原発事故によって、市民は気づくのです。国家中心的な社会や核に依存した社会を変えていかないと、未来がないと。そういう人たちが増えました。ボトムアップの形で技術革新や社会変革が起こり始めました。その時は、まだ政府と市民とが対立する形をとってきましたが、次の波は、福島の原発事故で起こりました。 今、新しいプロジェクトが次々に創出される土壌が社会にあると考えています。今回の紹介はその一部ですが、化石燃料に依存した生活から自然再生エネルギーへのシフトチェンジが起こってきています」(ハーン氏)

「日本では、水に流そう、なかったことにしよう、という風土がある。京都議定書も一時盛り上がっただけ。災害があっても、国が金を投入しゼネコンが群がり、市民は置き去りにされる。大半は時代にそぐわないものを作り、潰すことになる。それによってGDPは上がり、喜んでいる。そのことに市民が気づかない限りダメです。と悲観的なことばかりになってしまう」(内藤氏)

「平和のために戦争をしたり、互に争うのは、やはりどこか変だ。規模は小さくても争いのない社会を作ってみたい。その実態が一つ出来ればと思っている」(小野氏)

「今の日本は、株主が儲かるような仕組みだ。一般市民は税金が回ってきて、それが変だと気づくことだ。お金を印刷してそのお金が回って景気がいいと喜んでいるがそれは破綻する。そんな先じゃない」 (内藤氏)

議論は尽きず、時間で終了となった。

参加者の声

このような刺激的でかつ前向きなお話を聞くことができるとは、思ってもみませんでした。 企画して頂きありがとうございます。より多くの方に今日のお話を聞いてもらうことが、やさしい社会をつくることにつながると思いますので、ぜひイベントのPRに力を入れて頂くようお願いします。私も口コミで広げたいと思います。
(四日市市・40代・女性))


まず、コミュニティづくりを!

たとえば、社会全体の問題を議論すると、個人では何ともし難い壁にぶつかる。個人の力の及ばないところで、国が戦争に向かっていたり、情報が操作されていたり、ということがある。そして、個人の無力さを知り、社会に対して投げやりな態度を取らざるを得なくなる。
それは、個人と社会があまりにも遠い存在で、かけ離れているからだ。

その一つの方策が、小さなコミュニティづくりとも言えないだろうか。社会全体を直ぐに変えることは出来なくても、近隣で手を取り合って、自立したコミュニティを立ち上げていく。国に依存ていることを、少しずつ自分たちで力を出し合い運営し、自分たちの手元に戻していくこと。それがやれたら個人はとても生きやすい住みやすい社会が実現出来る。
ドイツの最新事例は、私たちにその可能性を開き、勇気づけてくれたように思う。
日本だって出来なくはない!

特に、震災以降、日本でもトランジション・タウンやエコヴィレッジなどの運動も活発化している。そこに一つの希望もある。多くの市民が、次世代のために、今の自分たちのためにも、協力し合い、進んで行けたらと切に願うものだ。(記事:いわた)

@環境先進国ドイツに学ぶ   Aアズワンの「やさしい社会」とは  B実現へ日本の課題

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