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餅つきでSCS新年幕明け《1月4日》


『新年餅つき』(F10号水彩)

一面の雪景色となった早朝。白く化粧された田畑の土や木々の葉は、眩しい光を放っていた。ピリッと肌を刺す空気も一際澄んでいるようだった。

新しい年を迎える喜び―― それはどこから来るのだろうか?

新年と共に何かがリセットされ、真っ白なキャンバスを見るように、新鮮な気持ちにさせてくれるからだろうか。何も無い状態、ゼロから始める時、そこには無限の可能性が広がっている。

年の変わり目は、私たち人間が作った観念上の営みだ。なぜなら、自然界は、毎日同じように動いているだけだから。

新しい年。それは過去を消し去り、新しい気持ちに立ちたいという欲求の表れかもしれない。真っ新な気持ちになること。子どものような純真無垢な心になること。そんな心境に立った時、自ずと漲る力が湧いてくる、その境地を求めている気がする。

白く覆われた風景を目にし、ふと想いに駆られた。 (画・文:岩田隆)



さあ餅つきだ!


鈴鹿カルチャーステーション前駐車場で

朝積もった雪もすっかり姿を消して、冬晴れの餅つき日よりとなりました。
「てっらこや」の子どもたちが集まりはじめ、続いて、餅つき大会の参加者も親子連れで三々五々やってきました。

今年も、餅つきの道具と餅米は杉本信之さんが用意してくれたものです。
「今回のお餅は“タガネ餅”になっています」とのこと。
タガネ餅とは、餅米の中にうるち米が少し混じっている餅で、ついても、うるち米は潰れず残るので、独特の食感が味わえる伊勢地方独特の餅です。
実は、タガネ餅にわざわざしたのではなく、混ざってしまったという訳です。昔は餅米が足りない時にうるち米を混ぜて餅をついたようですが、今回は、田植えをしたあと、一列だけ生育の違う苗に気づいて、「あれ〜」と思ったとか。でも、そのお陰で、伊勢の伝統文化を味わえるのですから、ラッキーです。

 

さて、男の子たちで、カマドに火を焼べていきます。やりたがりの男の子たちが、ナタを振り上げ薪割り大会。燃える炎から目が離せません。



そして 、いよいよ蒸しあがると、熱々の米を石臼に移して、中島さんが捏ねていきます。返し手は、松浦絵里さん。「てっらこや」では毎回スタッフに入っている縁の下の力持ち。ここでも持ち前の腕を奮います。
みんなも周りを取り囲んで、声援を送る。よいっしょ!よいっしょ!
だんだんお餅らしくなってきました。

中島さんが声をかけます。
「餅つきしたい子、後ろに並んで」
待ってましたとばかりに子どもたちが順番に並び、さあ、お餅つきスタート。

  

重い杵を振り上げて一人10回を目安についていきます。

 

見守る子どもや大人たちも掛け声が飛びます。

 

 

 

力のある子は、10回といわず平気で何回もついていきます。
最後は力を合わせて3人でつき上げました。 

餅まるめ!

 

今度は、餅をちぎって丸めていきます。
これは、女の子が積極的。一口サイズになった餅は、きな粉、餡子、砂糖醤油を絡めて出来上がり。
中井佳子さんが用意してきたお汁もありました。

 

出来るのを待ち構えていた子たちが、お皿によそってもらいます。

いただきまーす!

 

テーブルについて、もう、速効で食べ始めました。
「おいしー!」の連発。
つきたてのお餅は最高です。タガネ餅の食感はどうでしたか?

ベテラン登場!
 
 

外には、もう子どもたちの姿はありません。

2臼目、3臼目と蒸しあがっていきますが、大人がついていきます。
伊賀からやってきたYさんは、自ら「餅つき歴が長いベテランだ」と言います。それだけ歳を重ねている方のようですが、なるほど、餅の捏ね具合もよく知っていて、アドバイスもしていました。
続いて杉本さんもつきました。つく時の音の響きが違います。美味しいお餅に仕上がりそう。
 


最後は女の子4人がついて、「これでもうおしまい(姉妹)」と杉本さんからのオヤジギャグも飛んできます。

演奏披露!



餅つき大会の締めは、太鼓と二胡による共演がありました。
一曲目は横笛と二胡による『一月一日』です。
横笛を中島さんが、二胡を林悦子さんが演奏します。

続いて、2曲、『化蝶』『花は咲く』を二胡の独奏で。
二胡の音色を聞き入りながら、感慨深い思いに記者は浸っていました。



最後の曲は、太鼓と二胡の共演で、「草原を馬が走るイメージ」の曲だとか。
子どもたちも曲に合わせて飛び跳ね、踊り出して、演奏を盛り立てているようでした。

皆さんからの拍手でお開きとなりました。

皆さんの感想!

さて、今日参加した方々に感想を聞いてみました。 

「楽しかった。餅つきができて良かった。餅つきすぎて手が痛い。自分でついたお餅は最高だった。味が違う。ちぎるのも楽しかった。」(女の子)

「始めて経験させてもらって楽しかったです。」(お母さん)  
 
「子どもが楽しんでいて、子どもの笑顔が見れて、思う存分お餅がつけてよかったです。保育園ではなかなか、こうはできません」 (お母さん)

「目の前でついて食べられるのが嬉しいみたいです。もう4つか5つずっと食べてます。」
(お母さん)

始めて相の手をしたKさん
「面白かったです。ただペロンとやるだけじゃなくって、水を差したり、穴があかないように均等にしたり、適当じゃないんだと、やってみて思いました。餅つきは力がいるもんですね」(市内・女性)

杉本さんの抱負


演奏に合せて踊る子どもたち

最後に杉本信之さんに今日の感想を聞いてみました。

「今年は元気な男の子が多かったね。すごくいい雰囲気でやれました。」

今年はカフェ・サンスーシがオープンしますよ。
フランス語で、憂いがない、気楽な、という意味です。

「へー、日本語にはない言葉ですね。面白いなー。
日本人は、過去を嘆き、未来を憂いてばかりいて、今という時に目が向いていない気がします。今を見つめたら、幸せな気持ちになれる。子どもに恵まれ、ご飯が食べられて、暮らしていること事態が幸せではないでしょうかね。
その精神的な豊かさを大事にしたい。
昨年12月に父を突然亡くしまして、死を間近にして生きることを考えました。
人間いつ死ぬか分かりません。だから悔いのないように、今という時間を大切に生きたい。ぼーと過ごす時間も大事だと思います。効率だ、何だって言わないで。
こんな場で子どもと触れ合ったりすることも大事ですね」

SCSのイベントにも毎回いろんな方が参加されるようになってきました。
お互いに、あまりよそよそしくもなく、気兼ねもせずに、自然体でいられる場になればと思っています。少しでも“ゆるーい”空気を吸って、「○○しなくちゃ」「ここではこうしなきゃ」という義務や責任から離れてラクな自分で居られる空間。ゆっくりと自然とみんなとも親しくなっていけるように。そんな街のステーションになれるよう、今年もよろしくお願いします。


(写真・文:いわた)

1月4日の「一日てっらこや」NEWSは、また後日掲載します。



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