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中学生コース こころを形に!

                        2016年3月27日 アートスクール
――― この記事は、生徒さんとその親御さんに向けて主に書いています。<(_ _)>―――



中学生が描いた作品を昨日SCSの廊下に展示しました。
一枚の大きさが四つ切画用紙2枚分もある大作です。
大きいだけに迫力もあります。それは、たぶん、画面に萎縮しないで、
この大きさにのびのびと描いているからだと思います。
この絵を見た人たちが、口々に、「何かいいねえ、感じるものがある」
「何かが伝わってくる」と、言ってくれます。
さて、この絵に子どもたちは何を込めたのでしょう?

●さくらちゃんの作品 『言葉』



ぼくが最初にみた時の印象は、画面の構成力です。
黒い線で分割し、その中を色とりどりに塗り分け、全体として一つにまとめ上げている。
前回描いた、『明日』という作品でも中央を虹色にしていたので、今回もそれと同じ
構成かな、とよく見ると中央は虹色ではなく、真ん中を白くし上下で暖色と寒色で
色分けしています。この白い帯に何か意図を感じました。
絵を描き終えてから、それぞれ、絵についてレポートを書いてもらい、
そのレポートを読んで、初めて、ぼくはこの絵のタイトルとその内容を知ったのですが…。

そのレポートに書かれている内容を簡単に紹介します。

絵のタイトルは『言葉』。
周りの明るい色は、楽しい、うれしい言葉(を言われた時)
周りの暗い色は、暗い、悲しい言葉(を言われた時)
真ん中の上の方が赤で、下が群青色のところは、いろんな言葉を言われた時の気持ちで、
中心が白いのは、いろんな言葉を言われても、明るい時は楽しく、
暗い言葉を言われても、次は明るくなれるという所から、中心は白

 白=楽しい ・・・ 一番明るい色→明るくなる。

周りのいろいろな色の周りに、こげ茶色の曲線の帯は、言葉はたくさんあって
いい言葉、悪い言葉、いろいろあるけど、全てつながっている=未来につながっていく
言葉になるということを表していて、
絵の周りの部分を明るい色をたくさん使って、楽しい感じにしました。
周りの色が少しずつ薄くなっているのは、白=楽しい、の白になっていく様子です。
真ん中の色も、少しずつ薄くなって、白くなっていくようにしました。(さくら記)

へー、納得です。
実によく一つ一つに意味を与えて表現していることには驚きでした。
単なる漠然とした感情を表現しているだけでなく、その感情がどのように起こって
くるのか、その一つである、「言葉」というものに着眼し、表現したということですね。
言葉は、言(こと)の葉(は)、とも言います。こげ茶の帯模様は、そんな葉っぱが
重なり合っている様子にも見えたりします。その茂みの奥に、水平に広がる世界
が。ここが、こころの中の世界なのかな?
そして、全体にとても明るく、カラフルで、楽しい感じが伝わってきます。
さくらちゃんは小6で、4月から中学生です。不安もあるでしょうけど、
何か明るい希望に満ちた様子が伝わってくる作品です。


●ゆうきちゃんの作品 『2つの太陽』



ゆうきちゃんは中学1年生。
とてもきっちりした性格なのか、絵具の塗り方は、いつもムラなく、とても丁寧に
描く子で、ポスターなどの平面作品の塗り方は、とても上手です。
はみ出さないで、丁寧に塗る、そんなイメージの子です。
その子が、こんな大胆な、筆のタッチを活かした絵を描くとは、これはぼくには驚き
でした。
何か、自分の感情を絵にぶつけている感じがして、そのことを本人に言うと、
クスっと笑っていましたが…。
さて、本人はどんな思いで描いたのでしょう?レポートを紹介します。

作品タイトル『2つの太陽』

青を赤の二つの太陽を描きました。(太陽と言えば)ふつうは黄色とかオレンジや
赤だけど。青い太陽を描いてみたらどうかな、と思ったので、描きました。
赤い太陽は、楽しい気持ちや元気な様子をイメージしました。
青い太陽は、赤い太陽と反対でさみしい気持ちや静かな気持ちをイメージしました。
この二つの太陽は心の中にある気持ちを太陽にして描いてみました。
最初は、赤い太陽だけを描くつもりだったけど、楽しい気持ちや元気な様子だけでは
ないと思ったので、さみしい気持ちや悲しい気持ちっぽい青色の太陽を描きました。
赤と青の太陽のあいだに黄緑色の太陽を描いてみたら、どうなるかな、と思いました。
黄緑色は、やさいい気持ちや人のために行動する様子。(侑紀 記)

だ、そうです。
絵の面白さというのか、見所の一つとして、作者がどんな気持ちでその絵を
描いているのか、ということが、この絵筆のタッチから伝わってくることだと思います。
ゴッホの風景画でも、その何度も塗り込んだ筆のタッチから、画家の息づかいや
感情がダイレクトに飛び込んできます。彫刻でも、ノミの後が何かを物語っています。
絵描きは、自分の中から湧くその感情なり心の世界を、キャンバスに刻む、という
その衝動によって作品を作り上げていくのです。
それは、見る人にも、同じような感情を伝心するものと思います。
だから、絵は、実物を、本物を見てほしい。その作品の前に何時間も向き合って
一枚の絵を作りあげていくことを想像してほしいと思うんですね。

二人も、約4時間かけて絵を描きました。
本当なら同じくらいの時間、この絵をみてほしいとも思います。
でも、その時間以外の、もっともっと長い時間の集積が、この1枚に表現されている
とも思います。


●つぐみちゃんの作品 『ペンギンとオウム』



つぐみちゃんは、時に絵本をみたり、そこから何かのインスピレーションを得て
それを作品にしています。
1枚目は、カラフルなオウムと、その周囲に、果物や南国の植物を描きました。
2枚目は、南極のペンギンです。色はモノクロと紺色だけです。
前回の、『太陽と三日月』の絵も、陰陽世界を一枚に描いていましたが、
今回も、南国と南極、という世界を対極的に表現しているように思います。
寒と暖、モノトーンとカラフル、氷の世界と物が豊富にある世界…
つぐみちゃんの中にあるバランス感覚がとても 面白いなあって思います。



自分の感じているものを、自分の外に出してみること、それを表現とも言いますが
そうすることで、自分の中にあるものを自分が改めて目にすることが出来ます。
それは自分自身を見るという行為でもあり、また客観視することにもなるかな。
自分の外に出してあげることで、何か気持ちが現れると、自分が一つ軽くなれる。
思いや想いだけで内にある状態は、ちょっと重いかな。
表現するって、とっても面白いね!
4月からまた新たなにやっていきましょう! (講師:いわたたかし)


アートスクールは
 毎月 第2・第4 水曜日 午後3:30〜5:30 。
 金曜日コースは、毎週金曜日 午後4:30〜6:00 。

中学生コースは、第2・第4日曜日の午前10:00〜12:00(基本的には)
 時々予定が変わるので、中学生コースの今年の予定から確認してください。

 体験教室 随時受付中です。お気軽にどうぞ。

詳しくは→ SCSアートスクール



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